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動画勢のLJL2018Summerファイナル観戦メモ

執筆者: yamaokax (最終更新日: 2018-09-15 09:53:31)

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イントロダクション

※ 9/15の17時から行われる USGvsDFM BO5 に関しての観戦メモです https://jp.lolesports.com/news/2018ljlsusplayoffs
※ 準決勝はこちら
※ パッチは多分8.16やろなあ くらいのつもりで書いてます。
※ games of legends のLJL round9-10の項目がなぜか今週埋まったのでこちらを参照しています。 http://gol.gg/tournament/tournament-stats/LJL%20Summer%202018/
※ 敬称略です
2018LJLSummerのDFMとUSG
LJL1位はDFM、通算でゲーム的に19勝2敗、ラウンド的には9勝1敗。負けた1試合も1-2と盤石に近いスコア。
チーム全体で見ればGDMで387と圧倒的、2位のPGMが40、3位USGが-45と抜けている。
ただし問題は負けた一敗の相手がUSG、ゲーム1は謎ファンネリングの失敗という明確な理由があるが
ゲーム3はSummerで唯一力負けした試合。
それもこの夏、ADCメタの大変革により、いわゆる「DFM」メタであったため、DFMはリフトライバルズも2-2だったものの
負けた相手、それもあのチーフス相手には26分までとダイヤウルブズ相手には19分まで1000G以上の金銭有利を作っていたというくらい
序盤が強いチームだったのだが、唯一序盤からずっと不利を背負ってそのまま負けたのがこのラウンド5のゲーム3となる。
この試合はスウェインシェンのUSGのbotがレベル1でYutaponをキルし、4分のリーシンガンクでvividを落とし
9分のタワーダイブで3-1トレード、とbotを狙い撃ちにして、そのまま試合をコントロール。
Eviを1on1で互角に抑え、得意のリーシンでアーリーガンクをキメるTussle、クレッドで対面カルマを置き去りにしたチャージによる寄り
息の合ったbotレーンによる早期からの有利。おそらく今季のUSGベストゲームであるこの試合をUSGが再現できるか、がカギになりそう。

USGのSummerはゲーム的には13-14と負け越しているが、上記のラウンド5からの5連勝以前以後で
別チームのようなパフォーマンスを見せたため、そんなに数値的な分析は意味をなさない感がある。
ただし、約1ヶ月前の直接対決、メタ的にも現在と近い中での戦いではいいところなく0-2で破れてしまった。
完敗ではあったがゲーム1ではYutaponのレリックYasuoという面白ピックに翻弄された感がある点が多少の救いであり注意点となる。
さすがに8.16で同じ手は使えないのが救いであり、一方、DFMというチームのカラーとして、そういった面白ピック面白戦略を
ふんだんに使用してくる常勝チームという謎のカラーがあり
Summerからは日本の頭脳Kazuのコーチ参入によりそれが加速した感があるため
この手のポケットピック、びっくり戦術を用意している可能性は十二分にある。
USGはリフトライバルズでも当時流行り始めたファンネリングに対応できず仲良しファームを許してしまったこともあり
こういった戦略面での奇襲に対して弱みを見せてしまった過去があるため、スクリムで相対したことのないマッチアップに
うまく対応できるか、が一つ鍵になる。
ただ、今でこそ奇襲はDFMのお家芸となって久しいが、元々LJLの歴史的には、デビュー戦でLv6の前にサポートがmidにロームして試合を動かしたり
積極的なLv1ジャングルインベードをしたりと、USGのお家芸でもあった時代もある。
その頃からスタメンを張るapamen、Entyがキーパーソンになりそうな気もする。
準決勝のおさらい
http://gol.gg/game/stats/14185/page-summary/
数値的な概要はこちらから。

結果は3-0と予想以上の完勝。特に1,2ゲーム目は35分程度で試合を畳み、3試合目こそ45分程度まで長引いたものの
PGMお得意の後半巻き返しの前に抑えきったのが勝因だと思われる。
3試合を通じてPGMのポイントであるADCのYutorimoyasiがDPMで375しか出せていない(USGTOPのapaMenが430)
育つ前に試合自体を終わらせた、またそのためにtussleが序盤からグラガスで対面序盤強いオラフ相手に何もさせなかった
jg掌握の強さが出た3試合だった。
3試合で終わったUSG、メリットとしては気持ちよく決勝に向かえる、のほかにも「手の内を晒さなかった」という点が有利に働く。
3試合でjgはすべてグラガス、midはガリオ、特にjgグラガスは3試合とも1stピックで取っており「ファーストプラン」の軸が
このjgグラガスだったと思われる。そしてPGMは3試合ともターゲットBANをbotにしか駆使しなかったため
このファーストプランで一つ終わらせたというのはかなりのプラスに働くはず。
DFM的には、大事なjgについて「グラガス優先してんなー」くらいしか情報が得られなかったとも言ってよく
もしグラガスを潰したら何をセカンドで持ってるのかすらわからないのがおそらく残念だろう。
一方botレーンについては、機能しまくった「トリスレッシュ」を3試合目で潰したおかげで、2ndプランの「カイサ」が見れた。
ただ、カイサはもうメタのど真ん中であり、当然両チームとも優先候補であるためこれまたそんなに痛くない。
Entyのスレッシュは開けてはいけない、という強烈なイメージを残したため、DFMが何らかの対策を取るか、取り上げるか
ここが一つのポイントでもある。

数字的な面でいくと、この3試合で一番ダメージを出したのがUSGのGangoでDPM624、当然といえば当然ながらぶっちぎり。
2番めがPGMのRamune440、分かる範囲。3番めがTOPのapamenというのが特異点1
4位がmoyasi、5位がPaz、6位にmidのGariaruというのが特異点2。
先週のまとめからも、USGはTOPの攻撃関与が非常に高い点はピックアップしていたが、midメイジと並ぶほどのダメージを出している
もちろんGPが2回あるためある程度のダメージが出ることはわかるが、シーズンで得意としていたTOPの関与が出来ていた点と
3試合ともガリオだったこともあるがmidのダメージが少ない。ちなみにTussleもダメージ自体は低い。
攻撃には関与しているがダメージの大部分をADCとTOP(一斉砲撃)が出しているという
このプランでのデータをDFMも当然見ている。

ここまで分かってしまえば対策はあり
「集団戦の前になんとか一斉砲撃を使わせる」
「Gangoを潰せ(やらないはないぞ)」
機動力のあるADC(上からトリス、カイサ、エズ、ザヤ...)をピック段階で絞ってGangoの卓越したハンドスキルでの回避をまず潰し
集団戦の前にプッシュしてレーンに一斉砲撃を使わせたり、集団戦の前に小競り合いして使わせたりしたあと本戦
集団戦ではなんとかしてGangoを捕まえることに全力
そのためにEviにスプリット強いチャンプを使わせる、ほかはGangoを捕まえやすい構成にする、等々
なんてのも当然用意されてる、というのをUSGがわかってる上での決勝、というのが準決勝が3-0で終わったあとの読み合いになっている。
TOPレーン
DFM Evi 対 USG apaMEN

S6にタムケンチTOPという看板を背負ってKRチャレになって以来、このS8では色々やりながらもその位置を維持する
LOL界日本人最強との呼び声も高い、というかほとんどの人がまず最初に名前を挙げるであろうEvi。
KRのチャレンジャー帯で世界最強KRのプロとも渡り合い、プールも広くスプリットからタンク、イニシエーターにポケットピックと穴がなく
リフトライバルズでは、後にWorldsで旋風を巻き起こすGAM相手の優勝決定戦、序盤のワニさん、あのリヴァイのリーシンに序盤狙われても
終わってみればほぼ一人で試合を壊したエビールの7/0/4
世界に通用すると目される日本人の一人。またこの8.16ではタムケンチTOPの可能性も出てきており
海外での解説でもタムケンチトップといえば、でイーヴァイ選手の名が挙げられるほど。
混沌を極めたS8Summerの「DFMメタ」は終わりつつあるが、「イーヴァイメタ」の風が吹きつつあるなかでの決勝で大注目の人物。
人柄も明るくファンともTwitterで積極的にコミュニケーションを取り、オフィシャルの場では「好青年」を崩さないCerosにかわって
ユーモアあふれる言動でチームやファンを和ませる一面もある。

一方apaMEN、USG側は前回書いたのである程度省くとして、準決勝では実力伯仲と思われるPazに対して
ダメージ的にほぼ倍の数値を叩き出し、LJL有数のレーンの強さを持つPazの圧力に屈せず試合全体への関与に成功。
決勝は「日本代表TOP対リザーブ」の対決ともなっている。
nap、cogcog、Reiyaと、EviPaz以外にもレベルが一気に上がった2018TOPレーンのなかで
Pazに勝ったいま、現状日本最強と目されるEviを抑えるだけでなく、midサポートの戦略を取りがちなUSGで
試合に関与できるか、ダメージを出せるか、というヘヴィーなチャレンジを成功させられるかが優勝のポイントとなると思われる。

選手データをより詳細なこちらから引用して作り直しました
https://lol.gamepedia.com/LJL/2018_Season/Summer_Season/Player_Statistics

       Kill    Death  Assist   KDA    CS/min  KP%    GS%   
Evi .   3.81 (1)   2.14(2)  4.71(1)  3.98(1)   8.37(2)   55.1%(5)  21.6%(4)
apaMEN  2.37 (4)  2.41(3)  4.30(4)  2.77(4)    8.38(1)  64.3%(1)  21.8%(2)

KDAはEviが前評判に違わずオール1位、特にキルについてはTOPなのに全体でも2位
TOPでキル2位のcogcogが2.8、日本代表ADCのyutorimoyasiが3.4なことからも異常さが伺える。
一方、KPは全体28位と圧倒的に低い。キルが多い、「一方その頃」と各々好きにやるDFMのチームカラーともいえるが
Killが高くKPが低いということは、集団戦より、レーニング、またはスプリット時のキルの多さがこの数値から見えてくる。
試合中盤midで4v4や3v3をやっている一方、botでは1on1が行われていて、なぜか両方DFMが勝っている、というシーンを
ファンの方なら何度も目にしたことがあると思われる。
DFM得意の中盤131になった際にEviにキルを取られて走らせるとインヒビまで貫通、20分前のインヒビ破壊で
「まだ18分でインヒビ破壊ですか・・・これは少しリスクありますねぇ」
「え?いいんじゃないんですか?それはなぜ?」
「20分前に破壊してしまうとスーパーミニオンがレーンをプッシュしてまい、結果経験値差が生まれて、差が埋まってしまうので
 良くない側面もあるんですよね、どうなるんでしょうか」
というレボルさんのお話を聞くことになってしまうため、レボルさんの喉のためにもapaMenにはEviを走らせないことが求められる。


Evi使用チャンプ
ナー6回(6-0) フィオラ4回(3-1)カミール3回(3-0) オーン2回(2-0)ダリウス2回(2-0)ケネン、ムンド、エイトロ1回(1--0)ヴラッド1回(0-1)

◎勝率の良さはチームの良さなので置いておくとして、LJLTOPでの登場率5位のGPが0ピックなのが面白いところ。
DFM自体はSummerで1回だけGPピックはあるが、それがあのcerosのmidGPという異常さ。
また、上記のサイトでは2017summerのデータがないものの2017,18含めてEviがGPをピックしたのはわずかに2度
2018springとプレーオフで(0-2)、これをチームカラーと見るかピック幅と見るか。
大事なプレーオフでピックしているため自信がないわけではないだろうが傾向的には警戒は薄めてもよさそう。
フィオラやカミールといったスプリット系にも注意が必要だが、この中ではオーンも注目したい。
オーンはspringで6-0、KDA16.0、Summerでも2-0でKDA21.0と異常値を叩き出している、とにかく死なない。
ただしリフトライバルズ以降はピックされておらず、今回出てくるかも不明。
とにかくどれが出てきても対面のapaMenは苦労を強いられそう。


apaMEN使用チャンプ
ナー10回(5-5) ムンド5回(3-2)オーン4回(2-2) ケネン3回(1-2)スウェイン2回(2-0)ダリウス1回(0-1)GP1回(0-1)
プレーオフ
GP2回(2-0)チョガス(1-0)

◎Springでは6回プレーしたもののSummerでは1回しかピックしていないGP、springでも1回しかピックしていないチョガスを
山場のプレーオフに出し、結果Pazに完勝。ピック幅の広さを見せつけることとなった。
1試合目ではタワーダイブを予見し、セットアップに入った中で、一体だけ前にいる前衛ミニオンを
タワー下からTPすることでミニオンを守りながら相手には警戒させガンクを回避する頭脳プレイ
ゲームへの理解度の高さを見せつけ勝利につなげた。
こうなってくるとメタチャンプ系はどれも得意で出してこれると見ることができるため、全く予想がつかないといえる。
直近のプレーオフで出したGPは前述のEviがめったにピックしないため、データ的にはおそらく取り合いにはならず
取り合いになるとすればナーになりそう。


見どころ
◎何がピックされるか予想のしにくい組み合わせだが、傾向的にはスプリット系を好むEviとタンクが比較的多いapaMEN
Eviが一人で止められない展開になるとほかがフォローのために寄り、結果他レーンが人数有利になって崩されるという
DFM得意の展開に持ち込まれるか、それを防げるかが見どころになる。
jg
DFM Steal vs  USG Tussle

2017の2ndシーズンからDFMに加入し、一年半が経過し十分LJLに対応してきている韓国人jg。
2016年のカップ戦で1ゲームのみながら、KTの選手として2018韓国Summer1位KTjgのScoreのサブとして
TOPに現NA3位100のSsumday、midに現韓国4位GenGのFlyというえげつないメンツでの出場経験も持ちながら
極東の地で隣のEviが試合前にイジってきて心底うんざりした顔で付き合っている姿が印象的。
どこからでもキャリーできるDFMにいるためかタンキーなキャラが目立つが、カミールがフレックスピックになったり
ファンネリングではカイサを任せられるなどハンドスキルも当然十分に持ち合わせている。
レーンの強いDFMを支えるjgコントロールを崩すのは他チームにとって困難なのはLJLのシーズンでも証明済み。
ボジョレーDFMの呪いを覆せるかは、比較的新加入の双肩にかかっている。

準決勝ではグラガスながらオラフ相手に序盤から五分以上に渡り合う謎の強さを見せつけ
相手jgがやることがなくなってしまうほどの抑え込みっぷりを見せつけたTussle。
準決勝のOnceオラフとはまた違ったマッチアップになることが予想されるなか
圧迫力と得意のバロンスティールで存在感を出せるかがポイント。
    
       Kill   Death  Assist  KDA    KP%
Steal    3.67(1)  1.67(1)  6.24(1) 5.94(1)    64.1%(6)
Tussle  . 2.00(5)  2.44(2)   5.63(5) 3.12(3)    73.6%(3)
 
視界データ他 http://gol.gg/players/player-stats/878/season-ALL/split-ALL/tournament-LJL%20Summer%202018/champion-ALL/ 参照
      視界スコア(/min) ワード破壊(/min) 1stブラッド関与率
Steal    1.83(1)     0.48(1)        42.9%(3)
Tussle  . 1.61(4)     0.45(3)        25.9%(6)

◎ファンネリングもあったため数値的には参考値に近いが、キルの高さと関与率の低さはEviと共通している。
視界スコア的にもStealのほうが数値が良い。
基本的に勝っているチームほど視界把握に時間が咲きやすいという部分はあると思われがちだが
視界スコアの2位がhachamechaの1.78、ワード破壊の同率1位もhachamechaの0.48。
1stブラッドの関与率は、5位のWyverNが40%なので実は圧倒的にTussleが低く
リーシンでのLv3ガンク等のイメージが強いTussleのイメージとは裏腹のデータとなった。
jgでの1stブラッド関与率はOnceとhachamechaの52%が最も高い。
調べてみると関係ないhachamechaのデータの優秀さが目立った。


Steal使用チャンプ
ノクターン6回(6-0)トランドル4回(4-0)タリヤ4回(3-1)シンジャオ3回(3-0)カミール2回(2-0)グラガス1回(1-0)カイサ1回(0-1)

◎注目は1位のノクターン。LJL12回登場のうち半分をSteal使用が占める。
ダークネスと叫んでおいて別に突っ込むわけでもない「消灯」戦略はこの夏のDFMで印象的だった人も多そう。
エビールがいるためカミールがフレックスに、Cerosタリヤがいるためタリヤがフレックスになるのも強みだが
タリヤはナーフに加え、春のプレーオフの印象が悪いためおそらく出てこない可能性も。
Tussleとかぶるのはトランドルのピック率の高さ。プレーオフで使っていたグラガスは2018Summerでは1回だけながら
2017のSummerで3回使ってることから取り上げも十分可能かと思われる。

Tussle使用チャンプ
トランドル7回(4-3)グラガス5回(2-3)リーシン4回(2-2)セジュアニ3回(2-1)カミール2回(1-1)ニダリー2回(1-1)キンドレッド2回(1-1)グレイブス1回(0-1)ブラウム1回(0-1)
プレーオフ
グラガス3回(3-0)

◎ピック率2位のグラガスを3試合とも使用し完勝。
ハンドスキルと言うよりも、カニを取りに来たオラフを一旦おびき寄せbotと挟み込む頭脳プレー、チームプレーが目立った。
またグラガスで相手のjgにどしどし入り荒らしていくオラオラで相手を干上がらせる強さも見せた。
決勝はおそらく対策が考えられているグラガスで突っ張るか、別案で行くのか、メタ上位になりつつある懐刀リーシンを抜くのか
いずれにせよ、準決勝を見るにTussleのピックを軸にチームが動かされることになりそう。

見どころ
両者とも外国人選手ながらチーム経験が長くコミュニケーション面で大きな齟齬はないはず。
序盤から真綿を占めるようにじわじわと有利を広げるのが得意なStealと
過去LJLで何度も窮地を救う集団戦、そしてバロンスティールを披露してきたTussle。
おそらく序盤はデータ的にDFM有利で進む中、現在「ヤバイ」Tussleが爆発するか、不発に終わるかが見どころ。
midレーン
DFM Ceros vs  USG Gariaru

LJL発足前の2013にyutaponとともにDFM創立メンバーとなり、2014にスタートしたLJLの最初のシーズンWinterの4チーム中4位から
2014Summer、LJL 2014 Grand Finalsでの優勝、以降も(リーグ戦は)最上位DFMのmidとして看板を背負い続ける日本LOLの顔にして「皇帝」。
2015、おそらく日本が一番Worldsに近づいたプレーオフでトルコ1位のDark Passage相手に
得意のメタ外midGPでペンタキルを叩き出す(なお試合はバロンスティールされて破れた)。
※ここで勝っていれば上位2位のプレーオフもありえただけに日本サッカー界で言うところのドーハの悲劇に近い。
その後も「Cerosは流石に衰えた」と言われながらも対面するKRmidと互角以上に渡り合い
「今季のDFMは過去最強」とリーグ戦が終わるたびに言われながらもプレーオフでだけ負け続けながらも
年々謎ピックの幅を広げ、「皇帝」から「セイマー」「ボム兵」「yutaponソロキューの足枷」と二つ名も増え続けるなか
因縁のPGMがセミファイナルで落ちるという歴史が変わったこの瞬間に、再びWorldsへの扉が開けるか。

Gariaruは好対照のほぼ2018デビューのmidレーナー。
キャリータイプからサポーティブなチャンプまでそつなくこなすなか、準決勝では3試合ともガリオを使用。
大舞台という経験は初ながら、例年と違ってFinalの会場もいつもと同じRedbullスタジオ、というのは
過去に大舞台を多く経験しているCerosとゲーム外でアドバンテージを取られることがないぶんお得だと言える。
今まで「夏のUSG」と言われSummerは成績が落ちがちだった昨年までの夏と比べ、メンバー的に変化があったのがこのGariaru
ある種のラッキーボーイ、USG夏の救世主となれるかがこの一戦に掛かっている。


        Kill   Death   Assist  KDA    CS/min   KP%
Ceros    2.67(3)   1.43(1)   5.67(2)  5.83(1)   9.19 (1)    53.8%(6)
Gariaru   2.22(5)   2.26(5)   5.07(4)  3.23(6)   8.29 (6)    70.4%(2)

その他データ
       対面CS差(15min) 対面exp差(15min) DPM       視界スコア(/min) ピンクワード(/min)
Ceros    17.2(1)        +537(1)       601.5(1)       1.07(3)       0.26(1)
Gariaru   -5.4(5) .       +114(2)       424.6(4)       1.04(6)       0.19(4)

◎衰えたと言われ続けるCerosながらKDAは全体3位。デス数は全体1位ととにかく死なない。
mid2位のRamuneが1.96と約0.5の差があるほどmidとしては圧倒的。勿論ハイマーという自衛に長けるピックの影響もあるが
とにかく死なないでダメージを出して対面とCS経験値差をつけて、その割にチームのキルに関与していない、という謎データ。
特にKPはMIDなのにTOPでスプリットの多いEviを抜いてmidなのに全体29位。
ポークチャンプで継続的にダメージは出し、一方別に集団戦に積極関与するわけでもなく、というスタイルと思われる。
死なない理由を視界からも求めようと思ったが、視界スコアは平均的、ただしピンクワードの多さは1位と
自衛に力を入れていることは伺える。
Gariaruについては前回書いたが、今回の追加データから、対面とのCS差に苦しむことはあるものの、経験値差としては
むしろ相手より優位を取っていることのほうが多く、的確な判断で経験値ロスを防いでいるクレバーなスタイルが伺える。
また、準決勝のガリオのようにサポーティブなチャンプを使うイメージこそ強いものの、midレーナーとして平均に届く程度のダメージを
しっかり出していることから、キャリータイプを使った際に相当稼いでいる、ということもわかる。

Ceros使用チャンプ
ヘイマー4回(4-0)ジグス4回(4-0)カルマ3回(1-2)ヴェルコズ3回(3-0)ゾーイ2回(2-0)エイトロ2回(2-0)スウェイン、ガリオ、GP、イラオイ各1回(1-0)

◎「動物園」の名に恥じないオフメタピックの嵐。10体のうち今季Cerosしか使っていないのが上3体とイラオイ。midという意味でGPも入り
10体のうち5体がmidのCeros専用チャンプとなっている。
実力的に十分メタチャンプも使えるものと思われるが、Springプレーオフではメタチャンプのタリヤを2試合使い珍しくプッシュ負け
結果mid周辺から盤面制圧され10-0リーグ戦から0-3の一因となった(諸説あり)りと、特に決勝はあまり良いイメージがない。
「普段どおり」の戦い方をするならば、おそらく得意の「セイマー」「ボム兵」の出陣がよさそうだが
コーチの、そしてマウスを握っているCerossの選択がどうなるか。


Gariaru使用チャンプ
ゾーイ6回(4-2)ライズ4回(2-2)エイトロ3回(2-1)マルザ3回(2-1)ガリオ3回(1-2)ヤスオ2回(1-1)クレッド2回(1-1)ルル、カーサス、エッコ、フェイト各1回(0-1)
プレーオフ
ガリオ3回(3-0)

◎プレーオフでは同率3位の使用率のガリオを3連投、ダメージは低かったもののチームを支える動きで勝利に貢献。
未だに強いゾーイやライズといったメタチャンプも普段から使っておりDFMと違ってメタチャンプを使うことによる混乱というのはなさそう。
何をピックしてもいつもどおりチームが動けるのは強みと言える。
ガリオの調子がよく、一方ピック率の低いチャンプは勝率がよくないことから現在ピック率上位のチャンプを使うほうが安全に見える。


見どころ
超ベテラン対言うほどじゃないけど新人。メタチャンプ中心対オフメタチャンプの皇帝。
USGもおそらくPGM戦にかなり割いていたはずでCeros対策はできているのか
一方Cerosもどちらが来るかわからない中十分な準備はできているのか、というのがポイントだが
前回書いたように、RamuneとGariaruのスタイルは結構似通っており、独特の要素が強いCeros対策のほうが苦慮しそう。
そういった点で有利さはCerosに軍配が上がると思われる。
なんだかんだ毎年使っていて未だにBan以外に対処のできていないハイマーが出てきた際の妙手はあるのか、という点にも期待したいし
来年以降の各チームも注目してるところだと思われる。
ADC
DFM Yutapon vs  USG Gango

Cerosとともに2013からDFMの立ち上げメンバーに名を連ねる最古参。
ながらゲーミングハウスに入らず(大学通学のため)試合のために名古屋から東京へ来ると噂のある意味苦労人にして
LOLだけでなくOWでも過去高レートを叩き出した通称「若き天才」。プロ活動も長くなりもはや「若き」でもなくなりつつあるが
ADCからTOPへ、TOPからまたADCへとロールチェンジを繰り返しながらその時々でリーグ最高レベルのスタッツを叩き出す天才であり
何が見えているかわからないエズリアルの謎前ブリンクからの前フラッシュで突っ込んでいき生還する天才であり
1on1イベントでアイバーンを引いたCerosに「1on1でアイバーンは強い」と熱弁した天才。
USGのGangoとは、Spring初日でペンタを叩き出したGango相手に初対決で逆にペンタをキメるという
ファン大興奮の一大事件を巻き起こした持っている男。
ただしCerosと同じくこのFinalは近年相性が悪くその点がやはりいちばんの不安要素。


Gangoは準決勝後のインタビューでも言っていたとおり、USGに来た直後は完全に「Gangoのチーム」だった。
来てそうそうそれだけの存在感を放つのは逆に難しいことながら、実力で望むと望まざると自然とそうなっていった
ファンも「お願いGango」「Gangoゲーミング」などと呼ばれ、勝った試合は毎回MVP
その後のプレーオフ敗退、夏の絶不調(メタのせい)を乗り越えての決勝。
プレーオフでは当然全体一位のDPMを叩き出しながら「チーム全体で動けてる今の形がベスト」と言うほどの仕上がり。
優勝すればおそらく満場一致でLJLプレイヤーオブ・ザ・イヤーに選ばれるであろう(そんなのないけど)インパクトを残した
2018の締めに優勝を飾れるか。

         Kill   Death   Assist  KDA    CS/min   KP%
Yutapon    4.00(1)  1.48(1)  6.71(1)  7.26(1)   8.88 (3)  69.2%(2)
Gango     2.63(5)  2.37(5)  5.00(4)  3.22(5)   9.58 (2)  73.6%(1)

他データ
        DPM   Damage%  対面CS差(15min)
Yutapon    494.9(4)  23.0%(6)  4.1(3)  
Gango     534.4(2)  29.6%(2)  6.2(2) 

◎Yutaponのキルは全体1位、デスは全体2位、アシストは全体4位とスーパーハイレベル。
キル関与率も全体10位と非常に高い。一方、DPMはADCのなかでは4位でチームにおけるダメージ比率はADCのなかで最低となっている。
ただしYutaponは1試合、DPM131を叩き出したnunuがおり、それを抜いて計算すると約512とGangoに近い数値まで寄ってくる。
※計算後、もう一試合シェンのファンネリングもあったことを思い出したけど計算が面倒なので割愛。
ダメージ比率が低いのも、MIDでADC一位のDPMmoyasiの546.5よりも約50高い数値を叩き出すCerosがいるせいとも言える。
対面とのCS差も3位だが、これもnunuで-92を叩き出したものすごい足の引っ張りがあり、それで3位なのは立派とも言える。
(多分ちゃんと計算するとひっくり返る)
ともあれ、ちゃんとキルは取る上に死なない、シャットダウンゴールドの恩恵が大きい今のメタでとにかく厄介で
潰した割にはチームにおけるダメージディーラーは別にいる、という厄介極まりない存在とも言える。
とはいえKPから分かる通り集団戦での肝はやはりYutapon。
半面Gangoは徐々にGangoだけじゃないチームになってきているが、チームのダメージ比率的にもキル関与率的にも
ごん太の一本柱というチーム事情は変わらない。各チームUSG対策にGangoを潰すことを狙うためかキルがADCのなかでも多いのが
不安要素であり、このADC対決でどちらが上回るかが見ものになる。

Yutapon使用チャンプ
モルデ3回(3-0)エズ3回(3-0)ヴラッドミア3回(2-1)ジン2回(2-0)カーサス2回(2-0)ヤスオ、ライズ、シェン、タリヤ、グレイヴス、ヴァルス、アッシュ各1回(1-0)ヌヌ1回(0-1)

◎DFMメタを絵に描いたようなこのピックの散らかり方。
ここからわかるのは「何でもできる」ってことしかない。
Springでもエズが6回なので、強いて言うならば普通のマークスマンとして出てくる可能性が高いのはエズだということ。
こんなピックで、シェンとヌヌでサポート役の日もあって、それでデス2位ってどういうことなの
CSもそんなドマイナスピックあって通算プラスってどういうことなの感が強いが考えても答えは出なさそう。

Gango使用チャンプ
スウェイン7回(5-2)カイサ7回(3-4)エズリアル5回(1-4)ザヤ2回(2-0)ドレイヴン2回(1-1)カリスタ1回(1-0)ヴラッド、ルシアン、オリアンナ各1回(0-1)
プレーオフ
トリスターナ(2-0)カイサ(1-0)

◎前科書いたとおり、春に最も使っていたトリスターナを使い、Entyと完璧なコンビネーションを見せ
攻めのジャンプ、守りのジャンプを駆使して大勝利。
メタ上位でいえばアッシュとヴァルスが春夏含めてピックが少ないが、「使えない」なんてことはまず考えにくいため
こちらも何が出てきてもおかしくない。


見どころ
Summer前半のカオスなbotレーンをおそらく一番堪能したYutaponと一番苦労したGango。
メタが落ち着いたいま、おそらくマークスマン対決となりそうだが、実力はある意味伯仲しており展開が読めない。
準決勝で飛び出したトリスレッシュはジャンプ、フック、フレイ、ランタン、スレッシュのultと
逃げにも守りにも機動力抜群、フックに引っかかればキル圏内と非常に危険な存在感を出していた。
DFMが解答を用意しているのか、あるいはBanで対応するのか、が見どころになる。
Sup
DFM viviD vs  USG Enty

2016のSpringからまる3シーズンに渡ってDFMを支える韓国人サポート。
年々日本語が上達していき、インタビューも通訳なしでこなせるほどという域。
日本語はおろか、近年ではTwitterでせいまキャリーの方法まで身につけたことを報告
かなりのベテラン助っ人になりつつあるviviDもまた2016Summerからの呪いの経験者。

EntyはUSGのエンジンであるBotレーンの心臓としてGangoとこの一年支え続け
準決勝は得意のフック系チャンプ、スレッシュで頭脳的な威嚇ヘクスフラッシュ連発からのほんまに奇襲といった
変幻自在の動きてサポートキャリーのあり方を示した。
厄介なスレッシュを消してもパイクがいる、ブリッツもいる。
決勝もサポートキャリーできるか、唯一の日本人サポートが決勝に挑む。

       Kill   Death   Assist   KDA   KP%
viviD    1.33(2)  1.71(1)  8.67(1)  5.83(1)   64.6%(4)
Enty    1.15(5)  2.96(6)  5.89(6)  2.38(6)  68.3%(2)

その他データ
       視界スコア(/min) ワード破壊(/min)
viviD    2.31(3)       0.29(5) 
Enty    2.51(1)       0.38(1) 

◎viviDはYutaponと同じくとにかく死なないサポートでアシスト数は全体1位、2位のGeangが7.16、3位がShield で6.72なのを見ると
この数値が相当突出してることがわかる。その割にKPが低いのはキルの多いチームの問題と言える。
反面視界スコアは標準的で、ワード破壊はかなり低いようにも見える。
ただ考える必要があるのが、今季のDFMの平均試合時間が30:06、他が軒並み35分前後かかっている中
DFMだけ5分も早く終わってしまう。デワードが捗るのは、序盤よりも自分がピンクワードをたくさん持っている後半で
逆に序盤はほぼ破壊できない、捗る後半が5分短い状況は考慮する必要がある。
逆に他チームとほぼ同等の試合時間の中で、視界スコアトップのEntyはどう見ても「視界を管理している」といえる。
積極的な視界管理がUSGを支えていることは間違いない。
デスが多いことは前回触れたが、ある意味危険を冒すほどの積極的な危機管理の代償とも考えられるし
キルを持ったキャリー陣が視界不足で潰されてシャットダウンゴールドを持っていかれるよりも
元々キル持ってないサポートが変わりに潰れるのならそのほうが有益ともいえるわけで、単純な損得勘定は難しい。

viviD使用チャンプ
タムケンチ6回(6-0)モルガナ4回(3-1)アリスター3回(3-0)シェン3回(3-0)ソラカ2回(2-0)ブラウム2回(2-0)グラガス1回(0-1)

◎一番使用しているのはタムケンチ、ナーフを受けたが、Eviがいる特殊な事情から、ピックするだけでフレックスを匂わすことのできる
とてもおいしいピックとなっている。その他全体的にはタンキーなチャンプが目立つ傾向にある。
Entyが使うようなフック系は勿論プールにはあるだろうが、今年に関して言えば0。
データ通りに行くならばタンキー系が出てくる可能性が一番高そう。

Enty使用チャンプ
シェン7回(4-3)モルガナ6回(3-3)パイク5回(3-2)タムケンチ3回(0-3)ソラカ2回(1-1)ラカン2回(1-1)スレッシュ1回(1-0) ジャンナ1回(0-1)
プレーオフ
スレッシュ2回(2-0) アリスター1回(1-0)
◎プレーオフで、Summerに使用経験の少ない2チャンプを持ってきて3-0、3戦目にはスレッシュをBanさせるまでに至る。
プレーオフの通り、この夏のデータはあまり参考にならないとも考えられる。
得意なフック系がくるか、それ以外か読み切るのは難しいが、スレッシュがいなくてもパイクがいる、ブリッツもある
その上ディフェンシブでイニシエートもこなせるアリスターも十分以上に機能することがアピールされた今
ある意味USGのピックで一番頭を悩まされるのがサポートかもしれない。

見どころ
前ブリンク等が持ち味のYutaponを守るタイプのviviDと、前に出てこないADCを引きずり出すフックを得意とするEntyといった
ある意味対極なタイプの対決となる。
Entyはプレーオフ3戦目で見せたように、プロテクトGangoもできるが、この夏の流れを考えると
Entyのパイクフックからチーム全体が勢いづいたように、守るよりも攻めるほうが個人としてもチームとしても持ち味が出そう。
そしてフックは乗ってくるとガンガン当たるようになるため、USGを勢いに乗らせてしまうと非常にまずい。
攻めるサポートで来るか、守ってくるかはピックされるまでわからない中、対応に回るのはviviDサイドと思われる中
Entyを、USGを勢いに乗せないように対応できるかが見どころになる。
おわりに
LJLがいわゆる2強のFinalでない大会を数え直したところ
多分2014のFinal、DFMvsRJが最後だと思われる。
Ceros、yutaponはもちろん、RJ側にはmidにapaMEN、と4年ぶりながら3人もプレイヤーが居るのが面白い。
LOLはプロの時期が短いとはよく言われるが、黎明期を支えたプレイヤーがまだまだ健在なのが面白いところ。
他にもV3のTopで活躍中のcogcogがRJのTOPでサポートには現RJコーチのリールベルト、JGには今や人気ストリーマーのRainbrain
DFMの後ろにちらっと現CEOの梅崎氏のユニフォーム姿まで見れる貴重映像になっており
ある意味豪華な顔ぶれで見ていて面白くてこのページを締めるのを忘れていた。
最近LJLを見始めた人にもぜひ一度見てもらいたいと思うが、今見るとマップ見にくいなー動画画質悪いなーとか
この青白い丸のアイコン誰やねん、え?これトリスターナ?とかドラゴンちっさトカゲやんけとか
シヴァナがなんでトップおんねんとか、とにかく見にくくて、いやーいい時代になったなーと。

執筆者

yamaokax

無職  好きな助っ人:デストラーデ、ミスター(ピクシー)、郭泰源 好きな映画:こち亀 TheMovie  〜勝どき橋を封鎖せよ!〜PSNID:yamaokax


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